ライフステージに沿った予防とケア⑥高齢期

高齢期

喪失歯の急増期

65歳以降になると、歯を失うケースが増えてきます。

70歳代では、1人当たりの平均喪失歯数は約*11本となっています。

1本でも多くの自分の歯を残すようにすることが大切です。

8020は残っている歯が20本以上なければならないといった厳密なものではありません。

80歳で20本を達成できないとしてもそれですべてがダメというわけではありません。

たとえ歯の本数が減ったとしても、失った歯に入れ歯を入れ、

残った歯を大切にし、「お口のケア」を続けようという意識が大切です。

 

よく噛むことによりあごの骨や筋肉が動いて血液の循環がよくなり、

脳細胞の動きが活発になり、脳の老化を防ぎます。

高齢者の場合、「歯が抜けてよく噛めない」、「軟らかい食べ物ばかりを食べてしまう」

ということを繰り返すと、脳細胞への刺激が少なくなり、認知症につながります。

 

*厚生労働賞 平成23年「歯科疾患実態調査報告」より

 

入れ歯(義歯)と残っている歯のケア

部分入れ歯や総入れ歯に細菌が付着すると、歯ぐきに炎症を起こす原因にもなります。

また入れ歯に隣接した残っている歯は、汚れがたまりやすくむし歯になりやすいので、

ていねいにみがく必要があります。

 

セルフケアのポイント

◯部分入れ歯(局部義歯)

部分入れ歯は必ず外してから清掃します。

ばねの部分は、小さい歯ブラシでていねいに清掃します。

 

◯総入れ歯(総義歯)

総入れ歯もはずして、義歯洗浄剤などで清掃します。

義歯はやわらかいので、強くみがくと傷つくので注意しましょう。

また義歯に細菌がしみ込むと、入れ歯特有のニオイの原因になります。

義歯洗浄剤には除菌効果があり、ニオイの発生を防ぐ効果もあります。

総入れ歯お手入れ方法