ライフステージに沿った予防とケア①胎児期

妊娠期のお口の状態

妊娠中はホルモン分泌の変化により、口の中の唾液が酸性に傾き、

むし歯や歯肉の炎症になりやすい状態にあります。

歯周病は低体重児出産や早産の原因となることがあるので、

定期的に歯の健診を受けるのが理想です。妊娠安定期には受診しましょう。

歯ブラシを口に入れるだけで気持ちが悪くなることが多く、

歯みがきがおろそかになり、口の中に食べかすが残りやすくなります。

 

妊娠期のお口のトラブル

妊娠性エプーリス

歯ぐきに、できもの(良性)ができることがあります。

ほとんどの場合は出産後に自然に消えます。治らない時は歯科を受診して下さい。

*エプーリス/身体の一部の組織が増殖したもの

口内炎や口角びらん

ビタミンやミネラルなどの不足により,口内炎や口唇の端にただれができやすくなります。

予防のためにも、栄養バランスのよい食生活を心がけましょう。

 

妊娠期のセルフケア

つわりなどで歯みがきができない時は、ぶくぶくうがいをしてお口を清潔に。

だらだらと甘いものを食べることは控え、食べたら口をゆすいで、

食べカスが口に残らないように気をつけましょう。

気分のよい時間帯に、ていねいに歯みがきしましょう。

 

妊娠期のプロフェッショナルケア

【歯科健診】つわりがおさまり、4〜6か月頃の安定期になったら歯科健診を受けましょう。

【歯科治療】つわり・流産・早産のリスクを考えて、安定期に受けるのが望ましいでしょう。

【受診時】母子健康手帳を出して、産婦人科医から注意を受けていることは、

どんなことでも歯科医師に伝えましょう。

 

歯の形成期

子どもの歯は妊娠中につくられ、歯の質はこの時期にほぼ決まってしまいます。

乳歯の芽である歯胚は、妊娠7週目頃からつくられます。

妊娠4か月頃からは、歯胚にカルシウムやリンなどが沈着し、かたい歯がつくられていきます。

 

強い歯をつくる食べ物

母体の健康を保つことはもちろん、胎児への栄養補給としてバランスのとれた食生活が

大切です。

・ビタミンA (歯のエナメル質の土台を仕上げる材料)
・ビタミンC (歯の象牙質の土台を仕上げる材料)
・ビタミンD (カルシウムの代謝や石灰化の調整役)
・良質のタンパク質 (歯の基質の材料)
・リンやカルシウム (石灰化のための材料)

【受診時】母子健康手帳を出して、産婦人科医から注意を受けていることは、

どんなことでも歯科医師に伝えましょう。