要介護高齢者の口腔ケア
国立社会保障・人口問題研究所によりますと、戦後のベビーブーム世代が
65歳以上になる今後10数年の間に急速に人口の高齢化が進み、
2040年ごろには65歳以上の高齢者人口はピークを迎え、
総人口のおよそ3分の1を占めると推測されています。
このような超高齢社会を迎えるにあたり、2000年には介護保険が導入され、
身体または精神に障害を負っている人々の生活を支える社会保障システムが構築されました。
開始当初は介護認定者218万人だったのが、2003年10月末には371万人に急増しており、
特に軽度の介護者が大きく増加していることから、
これから重度の介護者にならないための対策が求められてきています。
このような状況下で、要介護高齢者の健康を維持していくための手段として
「口腔ケア」が注目を集めています。「口腔ケア」が単なる口の中のケアだけではなく、
発熱や肺炎の予防といった全身の健康維持にも関連することが
最近の研究でわかってきたからです。
次回から、急増している要介護高齢者の「口腔ケア」に関することを、
研究データを交えながらわかりやすく説明していきます。